不肖ブンスケです。
昨日は雨だったので、とても寒かったですね。天気予報では12月中旬並の気温だったそうですよ。今日もまだ少し寒いですが、天気がいいので昨日よりずっとあたたかいような気がします
このぐらい寒くなってきますと紅葉の季節だなぁ、と実感するこの頃です。
紅葉は10度以下で色付き初めて、5℃以下になると一気に紅葉するそうですよ
今頃は京都や日光など見ごろでしょうか。
東京ですと小石川後楽園や新宿御苑など、紅葉が綺麗そうですね。
さて、せっかく紅葉の季節となりましたので、紅葉にちなんで一つ本をご紹介したいと思います。
(文系共同図書室)
?笠間書院「中世王朝物語全集15 風に紅葉 むぐら」913.41/C67/15D
ご紹介するのは「風に紅葉」。
題名に中世とあるように、成立時期は南北朝から室町時代にかけての作だそうです。
王朝物語ですので、モチーフは平安時代あたりなのでしょうか。
主人公は関白左大臣(偉い人)の息子、大将です。
この大将は見目も麗しく、如才なく、非の打ち所のない素晴らしい男性という設定です。
そんな彼が成長して帝の娘を娶り、やがて彼の妹も帝の息子に嫁ぐ。そうして大将を中心として栄華を極めていくという話です。大将も女御(帝の奥さん)と関係を持ってしまったり、不運な身の上だった甥を助けたり???。と色々あります。
ですが題名の「風に紅葉」。
内容が秋なのかというとそうでもなく、紅葉が出てくるのかというとそうでもなく。
<風に紅葉の散る時は、さらでもものがなしきならひと言ひおけるを???>
という書き出しから始まるので、「風に紅葉」の題名がつけられたのだそうです。どういう意味かというと中世王朝物語全集の訳では、<風に紅葉が散る時は、ただでさえもの悲しいものだと言われているが>となっています。
この書き出しは高光集に収められている、
<神な月 かぜにもみぢの ちる時は そこはかとなく ものぞかなしき>
に依っているのだそうです。
桜や紅葉など「散る」ということは終わりを予感させて、悲しい気持ちになるのかもしれませんね。